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「お前彼氏とかいねぇの? いねぇわな」

俊也は質問したくせに勝手に答えを出して、今日は隣のベンチには座らず、私の転がるベンチの横にあぐらをかいた。

ちょうど私のお腹のあたりに顔。

さっき落としたフリーペーパーをペラペラ興味なさそうにめくっている。

それをうっすら開けた目のすき間から覗く私。

「あんたもいないだろうね」

覗きの趣味はないので、腹筋を使って体を起こした。

「ご想像にお任せします」なんて少し笑って言う俊也は、昨日見た素っ気ない態度の俊也と違っていて。

ブレまくる私と同じで、何だか安心する。

「いっつも電車?」


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