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女が三人集まれば喧嘩するなんて言うけれど、今のところ大丈夫。

大きくも小さくもランク分けされる世の中で、自分の位置くらいわかってる。

二人もきっとそうなのだろう。

約一時間くらいだろうか。
沢山の話をして、人目も気にせずグロスをたっぷり唇にのせてから、クレープ屋を後にした。

今日が終わるのはいいけれど、日が落ちるのは嫌だ。

学校から歩いて10分もしないうちに、『普通』しか停まらない小さな駅に到着する。

同じ高校の生徒しか使わない為か、下校時間を過ぎた駅はぽつんぽつんと人がいるだけで、静かなものだった。

30分に一本出ているこの時間の電車には、それほど待たずに乗る事ができる。

暗めの赤いラインが入った電車が到着すると、胸が少しだけスッとした。

この『鈍行』なんて言われてしまう電車でも、確実に私を明日に連れていってくれるから好きだ。


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