地獄的恐怖鬼ごっこ
「ひゃっ」

急に両肩に重さを感じて、思わず声が出た。

「あやか、泣かないで……。あやかが泣いているところ、見たくない」

静かな声で、みのりはそう言った。

その声が、辛そうで、私は余計悲しくなる。

「大丈夫……」

私はそう言ってみのりの手を肩から降ろした。

「あやか達。これは絶対マジなヤツだ。ここもいずれは鬼が来るはず。出来るだけ常に動いているようにしておくのはどうだ」

「うん……いいよ」

気付くと正木の涙は引っ込んでいた。

だけど、目元は少しだけ赤い。

「鬼ってどんな感じなんだろう」

みのりは顔をポリポリと掻き、空を見上げて言った。

「……さっき見たんだけどさ。普通の人。そこらへんの……スポーツとか得意そうな男ばっかり」


吉田が……変なものを持っていた人を引きずり出そうとして……

そんなことをみずきが言っていたのを思い出した。

その後のことは言わなかったが、さっきの捕獲確認リストに記載されていた。

多分。でも、ほぼ確実だけど……。

あそこに記載されていた人達は、全員死んでる。

捕まったら××というのは、「捕まったら死亡」ということなのだろう。
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