地獄的恐怖鬼ごっこ
今度は、携帯ではなかった。校内放送だろうか。

《校内イベントを開催します》

そんな。人がいっぱい捕獲されてしまうイベントが開催されてしまうのか。

外から驚いたような「うわぁっ」と、気の抜けた声が聞こえた。

人数が多い分、混乱も多いのだろう。

特に、まだこの地獄のような鬼ごっこの姿を見ていない者は……。

「とにかく、外に出た方がいいって。あやか。あやか?」

ハッとしてみずきの方を見る。今まで喋りかけられていたことに気が付いていなかった。咄嗟に軽く謝る。

ドアを開けると、ひとつのグループが怯えた様子で固まっていた。

「あ、さっきの……」

その中の一人が声をかけてきた。

さっきの……。そう言えば、学校に来る途中私達と喋った子達のグループなのか。

「さっきの放送聞いた? 実は、校内から出れなくて。全員参加のイベントだって」

校内から出れないって。私達が来たときは普通に入れたのに。

全員参加とは、恐らくこの学年全員がこの学校内にいるということだろう。

< 49 / 73 >

この作品をシェア

pagetop