地獄的恐怖鬼ごっこ
と言っても、行く当てが決まったわけではない。

目的もなく、ぶらぶらと歩くのも何だかなあ、とは思ったが、結局、体を鈍らせないようにと、とりあえず動くことにした。


「ここらへん、あまり人気がないね」

さっきからほんの少しの違和感があった。私たちの学年はそこそこの人数はいるのに、全くここらへんで見かけることは多くなかった。

どこかでみんなで固まってる……? でも、そしたらどこかしらが騒がしかったりしているはずだし、鬼も集中してしまう。メリットはたいしてないだろう。

「きゃああああああああ!!」

思わず皆立ち止まる。誰かの声が廊下に響く。

窓がビリビリと震えた感じがした。

その悲鳴が治まると、四人の間に少しだけ嫌な雰囲気が流れた。
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