地獄的恐怖鬼ごっこ
「助けに行った方がいいんじゃ……」

私はその声の正体を心配してそういったが、正木は

「バカか、死ぬかもしれないんだぞ!?」

と、私に怒った。でも、正樹の言い分もわかる。

「声は近かったけど、足音は聞こえない。もしかしたら、鬼じゃないのかも」

みずきはそう言って曲がり角の方へ静かに寄っていき、顔だけ覗かせるようにした。


「ひっ」

曲がり角の向こう側を覗いたみずきから小さな悲鳴が漏れる。

私たちは慌てて駆け寄り、そっち側を見てみる。

「嫌……、嘘でしょ?」

それを見て、私は絶句した。
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