地獄的恐怖鬼ごっこ
「良かったじゃん」

みのりが肘で私をつつきながら笑顔でそう言ってきた。

「えっ?」

思わず変な声が出てしまった。

私は、鋭いみずきにはばれてしまったけど、今まで誰にも正木が好きと言ったことはないし、その事をほのめかすようなこともしたことない。

ということは……。

「やっぱり、バレてる?」

少し控えめに聞いてみる。

すると、みのりは当たり前のように、とぼけたような顔で言った。

「うん。女子は皆知ってると思うよ?」

何となく想像はできたものの、口で聞いてしまうと、これ以上なにも言えなくなってしまい、俯いてしまった。

「おい」

正木が手で招くように私たちを呼んだ。

私は、俯いたまま、みずきに袖を引かれて正木の元へ行った。


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