君と命と夏空と。
真夏の太陽は、容赦がない。


でも、女子高生にはお決まりの制汗剤や日焼け止めなんて、今の私にはもう必要ない。



自転車を走らせ、坂を下る。


並木の陰に吹いた風に、少しだけ涼を感じた。



別に今日死ぬことをずっと前から決めていたわけじゃない。


自分はいつか死ぬからいいのだと、気づいたらそう思うようになっていた。


今日にしようか、明日にしようか、私にとってはそんなのどうだって良くて、何ならあみだくじで決めてしまおうか。それくらい、どうでもいい。




ただなんとなく今日にしたのは、これもまたなんとなく、今日死のう、と思ったからだ。



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