外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
隠されてしまった顔が見たくて、奏介の上に軽く上体を乗せて覗き込んだ。
肌が触れる感覚に、奏介がピクッと動いたのがわかる。


「奏介、愛してる。……私の心を信じて」


彼の耳にそう囁きかけながら、顔を隠す大きな手をどかす。
微かに目の下を赤く染めた奏介が、私を熱っぽい瞳で見上げていた。


薄く開いた唇が、なにか言おうとして動く。
私はそれを、自分の唇を押し当てて封じ込んだ。


「ん、七瀬……っ」


奏介が、ちょっと掠れた声で私を呼ぶ。
同時に腰に巻きつけられた逞しい腕に、私はビクンと身を震わせた。
彼の方からキスを深められて、私の背筋を甘い刺激が駆け抜ける。


「ね、奏介」


彼のキスに応えながら、私は必死に名前を呼んだ。


「新婚旅行、早く、決めよう? 私、昨日、パンフレット、たくさんもらってきて……」


キスの隙間で、今夜、予定通りに進まなかった、『したかったこと』を思い出す。
奏介もちゃんと聞き拾って、「ああ」と返してくれた。


「七瀬、君はどこに行きたい? 言ってくれ。俺が、なんでも叶えてやるから」


そう言いながら、奏介は私を抱えて百八十度身体を回転させる。
私は、彼の肩越しに天井を見上げた。


「奏介と、二人っきりで、過ごせるところ」


私の返事を最後まで聞き遂げ、奏介は目を細めて、優しく微笑んでくれた。
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