外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
「それが正しいだろうな。七瀬に存在を知らしめ、不穏に怯えさせるのが目的……現状では、そう考える以外、他ない」
さすが奏介だ。
私の拙い説明でも、すでにそこまで読み取っていた。
「しかし、その目的を考えると、どうも解せない。総合受付の『上条七瀬』は、確かに男を虜にする魅力的な女であることに間違いないが、そこを通り越して嫌がらせとは……」
奏介は腕組みを解き、顎を撫でて思考を巡らせる。
彼の褒めすぎな言葉には、くすぐったさを感じながら、私は「あ」と遮った。
「『上条』じゃなくて、『周防』なの」
「え?」
奏介が、わずかに目を見開いて聞き返してくる。
「だって君、今でも旧姓で働いているだろう?」
「そうなんだけど。そのサラリーマン、受付で『周防七瀬さんは』って言うらしくて」
「っ……! それを早く言え!」
奏介は勢いよく顔を上げ、語気を荒らげた。
一瞬息をのんだ私にハッとして、「すまない」と口に手を遣る。
そして、宙に目を泳がせ、深い溜め息をついた。
「そう……すけ?」
ゴクッと喉を鳴らしてから、私は奏介の方に身を乗り出した。
彼はちらりと私に目を遣り、わずかに逡巡してから、ソファに浅く座り直して私に向き合う。
さすが奏介だ。
私の拙い説明でも、すでにそこまで読み取っていた。
「しかし、その目的を考えると、どうも解せない。総合受付の『上条七瀬』は、確かに男を虜にする魅力的な女であることに間違いないが、そこを通り越して嫌がらせとは……」
奏介は腕組みを解き、顎を撫でて思考を巡らせる。
彼の褒めすぎな言葉には、くすぐったさを感じながら、私は「あ」と遮った。
「『上条』じゃなくて、『周防』なの」
「え?」
奏介が、わずかに目を見開いて聞き返してくる。
「だって君、今でも旧姓で働いているだろう?」
「そうなんだけど。そのサラリーマン、受付で『周防七瀬さんは』って言うらしくて」
「っ……! それを早く言え!」
奏介は勢いよく顔を上げ、語気を荒らげた。
一瞬息をのんだ私にハッとして、「すまない」と口に手を遣る。
そして、宙に目を泳がせ、深い溜め息をついた。
「そう……すけ?」
ゴクッと喉を鳴らしてから、私は奏介の方に身を乗り出した。
彼はちらりと私に目を遣り、わずかに逡巡してから、ソファに浅く座り直して私に向き合う。