外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
お義父さんとお義母さんなら、詳しいことを聞いているかもしれない。
そう思って、お手伝いさんに所在を確認してみたけれど、二人ともお教室の最中と言われてしまった。
そもそも私も、藤悟さんにお稽古してもらうつもりで、訪問したのだ。
その後、彼が部屋まで迎えに来てくれた。
落ち着かない気分のまま、今、私は三回目のお稽古を受けている。
藤悟さんも、私がしばらく厄介になる話は聞いていたようで、『新婚一ヵ月にもならないのに、災難だね』と苦笑したけど、それ以上のことは聞かされていないようだ。
結局私は、なぜこんなことになったのか、その理由もわからないままだ。
奏介は安全なのか、危険な目に遭ったりしてないか、状況はなにもわからない。
早く奏介と連絡したいのに、呑気にお茶室にいる自分が、歯痒くて堪らない。
焦れて焦れて、焦燥感に苛まれ、胸の鼓動がドクドクと嫌なリズムで拍動し始めた時――。
「今日はまた、全然集中できないみたいだね」
溜め息交じりの声が意識に割って入ってきて、私はハッとして顔を上げた。
萌黄色の着流し姿の藤悟さんが、ジッと私を見遣っている。
完全に上の空の私を咎める鋭い瞳に、私は我に返った。
慌てて目線を落とすと、膝の先に、漆塗りの茶器が置かれている。
そう思って、お手伝いさんに所在を確認してみたけれど、二人ともお教室の最中と言われてしまった。
そもそも私も、藤悟さんにお稽古してもらうつもりで、訪問したのだ。
その後、彼が部屋まで迎えに来てくれた。
落ち着かない気分のまま、今、私は三回目のお稽古を受けている。
藤悟さんも、私がしばらく厄介になる話は聞いていたようで、『新婚一ヵ月にもならないのに、災難だね』と苦笑したけど、それ以上のことは聞かされていないようだ。
結局私は、なぜこんなことになったのか、その理由もわからないままだ。
奏介は安全なのか、危険な目に遭ったりしてないか、状況はなにもわからない。
早く奏介と連絡したいのに、呑気にお茶室にいる自分が、歯痒くて堪らない。
焦れて焦れて、焦燥感に苛まれ、胸の鼓動がドクドクと嫌なリズムで拍動し始めた時――。
「今日はまた、全然集中できないみたいだね」
溜め息交じりの声が意識に割って入ってきて、私はハッとして顔を上げた。
萌黄色の着流し姿の藤悟さんが、ジッと私を見遣っている。
完全に上の空の私を咎める鋭い瞳に、私は我に返った。
慌てて目線を落とすと、膝の先に、漆塗りの茶器が置かれている。