外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
「お義母さんから、まさに手取り足取りで教わったんです」
「触っていいって許可さえあれば、俺もやってあげるんだけどね……」
「お義父さんからは、お点前も習い始めたんですよ」
「へえ~。そうか」
得意げに報告する私に、藤悟さんは感心したような声で返す。
そうして彼は口元に手を遣って思案顔で、私の頭の先から視線を下ろしていった。
なぞるような目の動きに怯み、私は反射的に背筋を伸ばす。
「正座耐用時間も、いくらか延びたのかな」
小首を傾げて確認されて、私は気を取り直して「はい」と返事をした。
「重心を変えたりしながら、なんとか三十分は耐えられるようになりました」
「そうか」
『まだそんなもんか』と揶揄されると思ったのに、藤悟さんはしげしげと私を見つめて、『ふむ』と頷く。
なにか考えついたような様子に、私はきょとんとして瞬きを返した。
「それなら、これからは本格的に着付けして稽古してみようか」
「え?」
「え?じゃない。初心者が数回の稽古で身につけたと思えば、上品だし優雅だけど、実際の茶会には着物で出席してもらうんだから。着慣れない着物で正座に耐え、洋装の時と同様の所作ができるか……。どう? 自信ある?」
早口で畳みかけられ、私は「う」と口ごもった。
「触っていいって許可さえあれば、俺もやってあげるんだけどね……」
「お義父さんからは、お点前も習い始めたんですよ」
「へえ~。そうか」
得意げに報告する私に、藤悟さんは感心したような声で返す。
そうして彼は口元に手を遣って思案顔で、私の頭の先から視線を下ろしていった。
なぞるような目の動きに怯み、私は反射的に背筋を伸ばす。
「正座耐用時間も、いくらか延びたのかな」
小首を傾げて確認されて、私は気を取り直して「はい」と返事をした。
「重心を変えたりしながら、なんとか三十分は耐えられるようになりました」
「そうか」
『まだそんなもんか』と揶揄されると思ったのに、藤悟さんはしげしげと私を見つめて、『ふむ』と頷く。
なにか考えついたような様子に、私はきょとんとして瞬きを返した。
「それなら、これからは本格的に着付けして稽古してみようか」
「え?」
「え?じゃない。初心者が数回の稽古で身につけたと思えば、上品だし優雅だけど、実際の茶会には着物で出席してもらうんだから。着慣れない着物で正座に耐え、洋装の時と同様の所作ができるか……。どう? 自信ある?」
早口で畳みかけられ、私は「う」と口ごもった。