外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
私は恐縮して肩を縮込めた。
「本当に申し訳ありません……後で奏介に、ちゃんと言っておきます」
誠意を込めて謝罪して、深く頭を下げると、「いい、いい」と軽い調子の声が返ってきた。
「しかし……少し時間がある、なあんて言ってたくせに、忙しない」
やれやれ、というような藤悟さんの言葉につられて、私は出て行った奏介を気にして、閉ざされた襖を振り返った。
「忙しすぎる旦那。新婚早々放っとかれっぱなし。寂しくないの?」
藤悟さんが、どこかからかい口調で畳みかけてくる。
それには黙って顔の向きを元に戻し、肩に力を込めた。
「そりゃあ……寂しいですよ」
膝の上にのせた手に視線を落とし、ポツリと呟く。
先を促すように、藤悟さんが斜めの角度から視線を向けてくるのがわかる。
「でも、あとほんの少しです。奏介の裁判さえ無事に終われば、また一緒に生活できますから。……今度こそ、新婚らしく」
自分を鼓舞するように明るく言って、握った拳を胸の高さに持ち上げた。
首を傾げて私を探っていた藤悟さんが、わずかに目を細めた。
そして。
「……いいねえ」
「え?」
「ああ、いや。君を見てると、結婚もいいかな、って思える」
「本当に申し訳ありません……後で奏介に、ちゃんと言っておきます」
誠意を込めて謝罪して、深く頭を下げると、「いい、いい」と軽い調子の声が返ってきた。
「しかし……少し時間がある、なあんて言ってたくせに、忙しない」
やれやれ、というような藤悟さんの言葉につられて、私は出て行った奏介を気にして、閉ざされた襖を振り返った。
「忙しすぎる旦那。新婚早々放っとかれっぱなし。寂しくないの?」
藤悟さんが、どこかからかい口調で畳みかけてくる。
それには黙って顔の向きを元に戻し、肩に力を込めた。
「そりゃあ……寂しいですよ」
膝の上にのせた手に視線を落とし、ポツリと呟く。
先を促すように、藤悟さんが斜めの角度から視線を向けてくるのがわかる。
「でも、あとほんの少しです。奏介の裁判さえ無事に終われば、また一緒に生活できますから。……今度こそ、新婚らしく」
自分を鼓舞するように明るく言って、握った拳を胸の高さに持ち上げた。
首を傾げて私を探っていた藤悟さんが、わずかに目を細めた。
そして。
「……いいねえ」
「え?」
「ああ、いや。君を見てると、結婚もいいかな、って思える」