外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
「だがそれならそれで他にできることもある。……七瀬」


なにやらすぐに気を取り直した奏介が、私の一瞬の隙を突いて腕を掴み、そのまま強く引き寄せた。
奏介のいきなりの行動に、私は身体のバランスを崩し、ベッドに座る彼の膝の上にドスンと尻餅をついてしまった。
ギョッとして立ち上がろうとする間もなく、


「七瀬」


奏介が、私を覗き込むように顔を寄せてくる。
瞬きもできないまま、私の唇は彼のそれに塞ぎ込まれていた。
何度か軽く啄んだ後、奏介の方からキスを深くしてくる。


久しぶりの、溺れそうなキス。
一瞬にして、甘い痺れが背筋を駆け抜ける。
意識せずとも漏れてしまう、鼻を抜けるような声は、自分で聞いていても恥ずかしいのに、なぜだか強く煽られる。


何度も角度を変えながらキスを繰り返すうちに、奏介が身を捩り、私をベッドに組み敷いていた。
繋がるような熱いキスの後で、呼吸が乱れ、胸が上下する。
私を見下ろす奏介を黙って見上げ、私は彼の次の行動を待った。
だけど……。


「さっきお袋から聞いた」


静かな声で奏介が呟いた。
それには私も瞬きで返す。


「大寄せの日程。金曜から三日間だってな」

「あ、うん……」


少し怯みながら頷くと、奏介がベッドから手を離し、私の頬を撫でた。
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