外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
奏介に抱き上げられて、二階の寝室に入った。
彼が私をベッドに横たわらせてくれる。
背中でベッドが軋む音を聞いた時には、奏介が私に覆い被さり、唇を重ね合わせていた。
ちょっと急いたように動く舌に追いかけられ、翻弄される。


唇に、額に、頬に。
首筋に、鎖骨に、胸に――。
奏介の唇は、私の全身に優しくしっとりと触れる。
私の肌の感触を確かめるように、ゆっくり丁寧に。
一つキスを落とされるごとに、私の身体の芯から、甘い疼きがせり上がってくる。


「そう、すけ」


もどかしい気分で、奏介の頭を掻き抱く。
お互いの服を脱がせ合い、ぴったりと肌を重ねて抱き合った。
その途端、彼の身体に溶けてしまいそうなほど、体温が同化していく。


「あ、は、あ……」


大きな手が、肌を撫で上げる。
彼のしなやかな長い指が、ちょっと意地悪に動く。
彼が仕掛けるものすべてが、私を快感に導く。
身も心もトロトロになって、まるで身体がふわふわと浮かんでいるような感じだった。


熱に浮かされてぼんやりするのに、夢見心地なほどの幸福。
何度も真っ白い世界に目が眩む中、奏介に何回『愛してる』と言ったかわからない。
けれどきっと、奏介の方が、私よりもっとたくさん、甘く囁いてくれたはずだ。


奏介の愛に、満たされた。
彼の温もりに包まれて、意識を手放したその時、私は最高の幸せで満ち溢れていたのだから――。
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