外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
テーブルに並んでいるのは、二人分の洋食ディナー。
前菜の丸いプレートの上に、小エビのカクテルサラダと、サーモンとほうれん草のキッシュ。
メインはトマトで煮込んだロールキャベツ。
奏介が幼い頃から大好きだったという一品だ。
これにオーブンで焼いたオニオンスープと、駅前の焼き立てパン屋さんで買ってきたライ麦パンを切って出せば、七瀬特製、奏介のお祝いメニューは完璧。
「簡単だけど、ガトーショコラも焼いたの。食事の後に切るからね」
そう言いながら、私はテーブルにシャンパングラスをセッティングする。
奏介はさらに目を真ん丸にして驚いた。
「ケーキまで!? 七瀬、随分と手際がいいな。いったいいつから……」
奏介はダークグレーのスーツの上着を脱ぎ、ネクタイを緩めながら素っ頓狂な声をあげた。
左手首の時計に目を落とし、時間を逆算しているのがわかる。
私はふふっと笑ってから、そっと肩を竦める。
「な~んて」
「え?」
「実は今日、午後半休もらったの」
種明かしをする気分でそう言って、私はペロッと舌を出した。
「ああ、なんだ。……って、わざわざこの準備するために?」
「わざわざって。奏介、お祝いだってば。裁判の勝訴の!」
前菜の丸いプレートの上に、小エビのカクテルサラダと、サーモンとほうれん草のキッシュ。
メインはトマトで煮込んだロールキャベツ。
奏介が幼い頃から大好きだったという一品だ。
これにオーブンで焼いたオニオンスープと、駅前の焼き立てパン屋さんで買ってきたライ麦パンを切って出せば、七瀬特製、奏介のお祝いメニューは完璧。
「簡単だけど、ガトーショコラも焼いたの。食事の後に切るからね」
そう言いながら、私はテーブルにシャンパングラスをセッティングする。
奏介はさらに目を真ん丸にして驚いた。
「ケーキまで!? 七瀬、随分と手際がいいな。いったいいつから……」
奏介はダークグレーのスーツの上着を脱ぎ、ネクタイを緩めながら素っ頓狂な声をあげた。
左手首の時計に目を落とし、時間を逆算しているのがわかる。
私はふふっと笑ってから、そっと肩を竦める。
「な~んて」
「え?」
「実は今日、午後半休もらったの」
種明かしをする気分でそう言って、私はペロッと舌を出した。
「ああ、なんだ。……って、わざわざこの準備するために?」
「わざわざって。奏介、お祝いだってば。裁判の勝訴の!」