妖精の涙
弐
翌朝、明は誰よりも早く、軽い足取りで登校した。
この村には少し前までたくさんの子供がいたが、親に連れられてほとんどの子供が村を出ていった。
だから、明の学年は、明一人だった。
それもあって、明は本当に今日からの学校生活が楽しみでしょうがなかったのだ。
教室に行くと、今まで通り、一つの長机が置いてあった。
でも、その机は今日から二人で使う。
そう思うだけで、明は口元が緩んでいた。
それから数分後、深雨が登校してきた。
「おはよう、明」
「おはよう、深雨。昨日はお母さんが無茶言ってごめんね。わかんないこととかあったら、いつでも聞いてね」
「うんっ!」