妖精の涙
その日は、深雨のために学校や村の探検が行われた。
明と深雨は終始ずっと手を繋いでいた。
「じゃあ、深雨! 家に行こっ!」
「あ、待ってっ」
それから二人は瞬く間に仲良くなっていった。
そして、深雨が村に来て二週間が経った。
その間も雨が降ることはなかった。
だが、二人にとって雨が降らないことは、とても嬉しいことだった。
いつまでも外で遊ぶことができるからだ。
ある日、明たちが仲良く歩いて帰っていたら、畑から声が聞こえてきた。
「一体いつまで雨が降らないんだ、この村は。このままじゃ、畑の作物が何一つ育たない」