妖精の涙
そして次の日。
村人たちは作戦通り、明の陰口を言うようになった。
「明……もう私といないほうが……」
ふと立ち止まった深雨は、俯いている。
まるで、初めて会ったときのようだ。
「なんで?」
「だって、このままだと明まで……」
すると、明は両手で深雨の頬を挟んだ。
「あのね、深雨。私は深雨といたいから、一緒にいるの。あんなやつらに何言われたって構わない」
明は曇りのない瞳をしていた。
「いい? 自分のせいで私が傷付いてるなんて、絶対に思わないでよ? これ、行き過ぎたらお母さんに言えばいいだけだし」