妖精の涙
「ちなみに、あなたのおばあちゃんはこれが三つ目」
深雨にそう言われておばあちゃんのほうを見ると、おばあちゃんは同じ栞を三つ持っていた。
「一つ目はおばあちゃんのお母さんにこのお話を聞いたとき。二つ目は咲穂のお母さんに話したときに貰ったんだよ」
「へえ……あ、もしかして……この話したのって、深雨に会わせるため?」
おばあちゃんはその質問にはっきりと答えず、ただ微笑むだけだった。
「咲穂ちゃん、それ、大事にしてね?」
「もちろん!」
咲穂が笑顔で答えると、深雨も笑っていた。
雲一つない綺麗な青空の中で、太陽が眩しく輝いていた。