妖精の涙
「用がないなら帰ってくれ。今人を歓迎してる暇はないんでな」
村人は少女を追い払うように手を振った。
少女は今にも泣きそうだ。
「あなた、ここで何してるの?」
そんな少女の顔を覗き込むように現れたのは、ここの村の子供、明(めい)だった。
明は名前の通り、明るく笑顔の絶えない子だ。
「えっと……」
いきなり誰かの顔が目の前に来たら、誰でも驚く。
少女は明の質問に答えられず、戸惑った。
「私、明! あなたは?」