クールな社長の裏の顔
プロローグ いきなりキス!?
 誰もいない社内で、杉山彩矢はこれが現実なのか夢なのか、一瞬分からなかった。


 

 壁にかけてある時計の秒針がやけに大きく響く。


 「好きだ、彩矢―……」


 

 耳元で囁かれた声は、低く甘い。


 

 「しゃ、社長―」


 

 「キスさせろ」


 

 傲慢に命じた目の前の男は、不適に笑い彩矢の顎を救い上げ、いきなりキスをしてきた。


 

「んっ」


 

 はじめてにしては、濃厚すぎるキスに彩矢は息をのむ。


(うそ、いきなりー)


 

 激しいキスに彩矢は瞠目する。



 ―社長はさらに笑みを深め、愉悦の表情をしていた―。

 
 
 
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