クールな社長の裏の顔
好き―……?
社長が、私を―……?
いや。これはきっと聞き間違いだ。
「あの、社長。もう一度言ってください。よく聞こえなかったので」
困惑しながら言う彩矢に社長は、仕方がないなというように小さく肩を竦めて口にした。
「君のことが好きだと言ったんだ」
「……ええっ!?」
今度ははっきりと聞こえた。
聞き間違いじゃない。
自分でも驚くくらい素っ頓狂な声がでて、傍に置いてあったグラスに肘が当たり、派手に転がった。
半分くらい残っていたカクテルが、テーブルの上に零れる。
「す、すみませんっ」
彩矢は慌ててそばにあったおしぼりで拭いた。
「すみません」
社長がすぐそばを通りかかった店員に、ふきんを頼む。
「新しい酒もついでに頼んだら?」
「あ、は、はい?」
メニューを差し出されて彩矢は、迷うことなくビールを頼んだ。
飲まなきゃやってられない。
店員がふきんを持ってきてくれて、丁寧にテーブルを拭いてくれる。
社長がビールと追加の料理をてきぱきと注文してる間に、彩矢は鞄からハンカチを取り出し冷や汗をふいた。
彩矢は新しいビールを一気に半分ほど飲み干し、息を整える。
「いい飲みっぷりだな」
社長一人、涼し気な顔でからかってきて、一人あたふたしてる彩矢がバカみたいだ。
「っつ、あ、あの。社長。す、好きってそれはどういう意味で……」
「どういう意味もなにも、君を恋人にしたいという意味だ。そこまで鈍感だとはな」
大げさに呆れて腕を組み見つめてくる社長に、彩矢は目を瞬く。
「だって、信じられないです。今まで普通に接してたじゃないですか」
「当たり前だ。仕事中にそんなアピールする馬鹿がどこにいる」
「うっ……」
社長の正論に彩矢は口ごもる。
社長が、私を―……?
いや。これはきっと聞き間違いだ。
「あの、社長。もう一度言ってください。よく聞こえなかったので」
困惑しながら言う彩矢に社長は、仕方がないなというように小さく肩を竦めて口にした。
「君のことが好きだと言ったんだ」
「……ええっ!?」
今度ははっきりと聞こえた。
聞き間違いじゃない。
自分でも驚くくらい素っ頓狂な声がでて、傍に置いてあったグラスに肘が当たり、派手に転がった。
半分くらい残っていたカクテルが、テーブルの上に零れる。
「す、すみませんっ」
彩矢は慌ててそばにあったおしぼりで拭いた。
「すみません」
社長がすぐそばを通りかかった店員に、ふきんを頼む。
「新しい酒もついでに頼んだら?」
「あ、は、はい?」
メニューを差し出されて彩矢は、迷うことなくビールを頼んだ。
飲まなきゃやってられない。
店員がふきんを持ってきてくれて、丁寧にテーブルを拭いてくれる。
社長がビールと追加の料理をてきぱきと注文してる間に、彩矢は鞄からハンカチを取り出し冷や汗をふいた。
彩矢は新しいビールを一気に半分ほど飲み干し、息を整える。
「いい飲みっぷりだな」
社長一人、涼し気な顔でからかってきて、一人あたふたしてる彩矢がバカみたいだ。
「っつ、あ、あの。社長。す、好きってそれはどういう意味で……」
「どういう意味もなにも、君を恋人にしたいという意味だ。そこまで鈍感だとはな」
大げさに呆れて腕を組み見つめてくる社長に、彩矢は目を瞬く。
「だって、信じられないです。今まで普通に接してたじゃないですか」
「当たり前だ。仕事中にそんなアピールする馬鹿がどこにいる」
「うっ……」
社長の正論に彩矢は口ごもる。