黒猫さんの忘れたいこと。
ピリリリリッ ピリリリリッ

ガチャ


「んー、ふあぁー、ねむい。」


目覚ましを止めて、目を擦りながら起きる。


「今何時・・・?」


時計を見てみると、8時半を過ぎていた。


「あー、完璧遅刻だな。はぁ、めんどくさいしゆっくり行くか。」


布団から出て、顔を洗って、リビングに行き朝ごはんを食べる。

ヴー、ヴー、

朝ごはんを食べていると、電話がかかってきた。


ピッ

「あー、もしもしー」

「馬鹿野郎!あー、もしもしー、じゃねーんだよ!てめぇ、今何時だと思ってんだよ!」

キーンと、頭にくるような、大声が響いた。


そんなに声出さなくても聞こえるっつーの。


そう思いながら時計を見ると9時をすぎていた。

「あー、9時すぎ?」

「ノリが軽いんだよ!遅刻だぞ!ちーこーく!早く学校こいや!」

「えー、どうせ遅刻なら急ぐ必要ないだろ」

「はぁ?!おまっ!ふざけんなよ!大体おま、あっ!ちょ!」


何やら向こうで言い争っているのが聞こえる。


「もしもしー?優希?早く学校おいで?ちゃんと僕ら待ってるからさ。」


さっきとは違い、優しい穏やかな声が聞こえた。


「んー。分かった。直樹が言うなら早くする。」

「うん。気をつけておいでね?」

「おー。」

「おい!てめぇなんで直樹は良くて俺の時はダメなんだよ!くそ、お前、覚えと、」

ピッ

うるさいので、
とりあえず切った。

うん。何も俺は悪くない。

「よし、準備するか。」

食器を水につけて、制服に着替えにいく。
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