扉の向こうはいつも雨
「驚いた。
結婚するって本当だったんだな。」
結婚……したわけじゃないけれど、親族以外の人にはその方が無難だと敢えて否定せずにおいた。
宗一郎と変わらないくらい上背がありそうな大男はガタイがよく、血色もいい男だった。
白衣を着ていて、首から『塚田医院医院長:塚田涼司』というネームプレートを下げている。
宗一郎が寝ている場所に連れて行くと手慣れた感じで持ってきていた医療機器を準備した。
宗一郎は眠っているのか変わらない荒い息があるだけだった。
「奥さんは見てて平気な人?
点滴とかするから注射で血が出なくもないけど。」
わざわざ言われたのだ。
居ない方がいいのだろう。
「何かあれば声をかけてください。」
「あぁ。大丈夫。
こいつとは長い付き合いだから。」
宗一郎も塚田という医師を信頼していそうだった。
桃香には出て行けと言うのに塚田には連絡して欲しいと言われたのだから。
結局、自分は何も出来ないのだ。
扉を閉められる度に2人の間に相容れない隔たりがあることを嫌でも知らしめた。
結婚するって本当だったんだな。」
結婚……したわけじゃないけれど、親族以外の人にはその方が無難だと敢えて否定せずにおいた。
宗一郎と変わらないくらい上背がありそうな大男はガタイがよく、血色もいい男だった。
白衣を着ていて、首から『塚田医院医院長:塚田涼司』というネームプレートを下げている。
宗一郎が寝ている場所に連れて行くと手慣れた感じで持ってきていた医療機器を準備した。
宗一郎は眠っているのか変わらない荒い息があるだけだった。
「奥さんは見てて平気な人?
点滴とかするから注射で血が出なくもないけど。」
わざわざ言われたのだ。
居ない方がいいのだろう。
「何かあれば声をかけてください。」
「あぁ。大丈夫。
こいつとは長い付き合いだから。」
宗一郎も塚田という医師を信頼していそうだった。
桃香には出て行けと言うのに塚田には連絡して欲しいと言われたのだから。
結局、自分は何も出来ないのだ。
扉を閉められる度に2人の間に相容れない隔たりがあることを嫌でも知らしめた。