扉の向こうはいつも雨
7.ひと時の幻想
数日が経ったのだろうか。
はたまた、ただ1日が終わっただけなのか。
それさえも分からずに体を起こした。
恐る恐るリビングへ向かい、部屋の様子を伺うと宗一郎はキッチンに立っていた。
体はすっかり良くなったのだろう。
顔色は良さそうだった。
不意に宗一郎がこちらを見て桃香は肩を揺らした。
気づかれた。
辺りの空気は凍りつき、体を固くて怯える……。
はずが、肩を竦めて笑った宗一郎に拍子抜けしてつられて笑ってしまった。
その様子にますます笑われた。
桃香は隠れてることも出来ず、おずおずと宗一郎の方へと歩み寄った。
「何か食べれるかい?」
「え、えぇ。」
穏やかな笑みを向ける宗一郎が眩しくて目を細めた。
体調が悪い時の冷たい感じはなくなっていたし、時折感じる禍々しさも感じなかった。
塚田という医師はそれさえも治してくれるのか。
もしそうなら定期的に治してもらいたいくらいだ。
逃げ出したくなるほどの恐怖さえも忘れそうになる穏やかさ。
柔らかい雰囲気の宗一郎に桃香も気を許してキッチンへと足を踏み入れた。
はたまた、ただ1日が終わっただけなのか。
それさえも分からずに体を起こした。
恐る恐るリビングへ向かい、部屋の様子を伺うと宗一郎はキッチンに立っていた。
体はすっかり良くなったのだろう。
顔色は良さそうだった。
不意に宗一郎がこちらを見て桃香は肩を揺らした。
気づかれた。
辺りの空気は凍りつき、体を固くて怯える……。
はずが、肩を竦めて笑った宗一郎に拍子抜けしてつられて笑ってしまった。
その様子にますます笑われた。
桃香は隠れてることも出来ず、おずおずと宗一郎の方へと歩み寄った。
「何か食べれるかい?」
「え、えぇ。」
穏やかな笑みを向ける宗一郎が眩しくて目を細めた。
体調が悪い時の冷たい感じはなくなっていたし、時折感じる禍々しさも感じなかった。
塚田という医師はそれさえも治してくれるのか。
もしそうなら定期的に治してもらいたいくらいだ。
逃げ出したくなるほどの恐怖さえも忘れそうになる穏やかさ。
柔らかい雰囲気の宗一郎に桃香も気を許してキッチンへと足を踏み入れた。