扉の向こうはいつも雨
13.理由が欲しい
心が沈んでいく桃香に対して、宗一郎は姿勢を正して椅子に座り直した。
これ以上、何だろうかと些か緊張する。
「桃ちゃんは見たくもないと思うんだけど……家系図を見てみたいんだ。」
「家系図……ですか。」
言葉を選ぶように何かを飲み込んだ宗一郎が再び口を開いた。
「僕みたいな…オッドアイがいつ生まれ、いつから儀式が始まったのか。」
儀式…。
その言葉にテーブルの下で両手を握り締めた。
まだ忘れていたい少し前の自分。
「どうして、そんなこと……。」
もっと言葉を選べば良かったんだと思う。
強い口調で口を出た言葉に宗一郎は顔を曇らせた。
「知りたいと思ってはいけない?」
俯いたまま宗一郎は席を立った。
顔にかかる髪の隙間からやるせない表情が見えて胸が痛くなった。
「あの………。」
掛けた声は消え入るような小ささで宗一郎には届かなかった。
無言で宗一郎はリビングを出ていった。
これ以上、何だろうかと些か緊張する。
「桃ちゃんは見たくもないと思うんだけど……家系図を見てみたいんだ。」
「家系図……ですか。」
言葉を選ぶように何かを飲み込んだ宗一郎が再び口を開いた。
「僕みたいな…オッドアイがいつ生まれ、いつから儀式が始まったのか。」
儀式…。
その言葉にテーブルの下で両手を握り締めた。
まだ忘れていたい少し前の自分。
「どうして、そんなこと……。」
もっと言葉を選べば良かったんだと思う。
強い口調で口を出た言葉に宗一郎は顔を曇らせた。
「知りたいと思ってはいけない?」
俯いたまま宗一郎は席を立った。
顔にかかる髪の隙間からやるせない表情が見えて胸が痛くなった。
「あの………。」
掛けた声は消え入るような小ささで宗一郎には届かなかった。
無言で宗一郎はリビングを出ていった。