扉の向こうはいつも雨
18.雨のち晴れ
「………本当に?」

 掠れた声は声にならない声でかろうじて聞き取れたそれに返事をする。

「絶対、本当です。」

 涙に濡れた顔を上げた宗一郎がそっと手を伸ばした。
 震える手は頬に触れて、触れている手と同じくらい弱々しい声がした。

「僕は桃ちゃんと……居てもいいのかな。」

 そこまで言って、伸ばしていた手は落ちてしまった。





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