霊界ナビゲーター〜光と闇〜
奈麗のぬくもりをたまらなく愛しく思う。

この日をどれほど待ち望んでいたことだろう。

幼き時からずっと奈麗の傍にいた。

両親から非道な目に合い続けてきたのも知っている。

傷つき泣いている少女を私は救うことさえできなかった。

大丈夫だよと触れることさえ出来なかった。

可哀想な子、奈麗。

誰よりも悲しみを背負い、両親の温もりに包まれる事なく独りぼっちで生きてきた哀れな娘。

愛しい愛しい私の大切な生贄(もの)

誰にも渡さない。

渡さないために…すべてを壊して傷つけた。


私だけしか見えなくするために・・・。

それを知ったらこの子はどうするのだろう。


それでも・・・私はこの子の魂を私だけのものにしたい・・・。 


そのためにわたしはこの子からは見えなくなっていた。



この時が来るまで。



清くて美しい魂には価値がある。



それ故に魔物に狙われる事も多い。



この子の魂は美しい。良い霊も悪い霊も引き寄せる。



















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