霊界ナビゲーター〜光と闇〜
「弓愛さんは、あの男性と知り合いなんですか?」
「いいえ。会ったのは一度きりよ。
学校帰りかしら。
人気のない道を歩いていたらいきなり現れて月夜見神社に来いとね。
でもね、それを言われた時に、奈麗という少女も来るからその子にも話しかけろって言われてたの。
それで、あなたの名前を知ったというわけ。
あのイケメン神霊くんと話してたから、すぐに彼が言ってた奈麗ちゃんだとわかったわ。」
成る程、と奈麗は納得した。
「そうだったんですか…。
でもあまりにも偶然が重なり過ぎていて…少し戸惑っています。」
「そうよね。私もよ。」
そうは見えないと奈麗は思った。
この出来事を予見していて楽しんでいるように見えるからだ。
「私は4月からK大学に通うの。
そこの大学でも沢山友達を作りたいし、サークルだって入りたい。
楽しみで仕方ないわ。」
嬉しそうに語る弓愛のある言葉に反応し、奈麗は一瞬固まった。
「K大学…?!私も今年からそこに通うんです。」
「あら?ということは、浪人してなければ同じ歳で同じ大学生というわけね。奇遇ね。」
まさか同じ歳で偶々旅行に来た日が同じで大学まで同じだなんて…
奈麗は鳥肌がたち始めた。
奈麗の出身が神奈川であることだけ弓愛と異なるが、それでも偶然同じである事象の方が多い。