無題 〜奇跡の7つ子〜
私は、誰もいない黒組の教室に座っていた。

私は、人を待っていた。

夕日が綺麗に窓から差し込み、カーテンがふわふわしている。


ガラガラガラ


私が、待っていた人が、やって来た。



「なんでココにいるの?」


眉ひとつ動かさず言われた。

少し悔しいかな?


「ねぇ、なんで、アリスの意見をいいって言ったの? ――愛鳴兄。」


愛鳴兄は、


「なんでもいいじゃん。面白かったから、OKしただけ。」


なにか裏がありそうな顔で笑われた。

こいつの心情、考えは、読みにくい。


「てか、なんで、ついさっきのことを、もうお前は知ってるわけ?…秘鳴。」


少し真面目な顔になったので、私は、少し驚いた。

いつも余裕に満ちた、自信気な顔が、今は、真面目だから。

私は、少しからかってやろうと思って、言った。


「どうしてだと思う?」


「そんなの、分かるわけな…」

「だよねぇ。」

愛鳴兄の言葉を遮って、わたしは、バカにしたように言った。


「愛鳴兄の、無様な頭で、考えで、私のことがわかってもらっちゃ困る!!」


後半少し感情的になってしまったけど、何とか、馬鹿にできた。

だって愛鳴兄の顔が、真面目ぶった顔が、悔しそうな顔になってるから。

私は、少し優越感を覚えた。
長男を言い負かすことがこんなにも楽しいなんて。

だけど、愛鳴兄は、すぐに顔を、余裕の顔を戻し、


「だけど、なんで、俺がOKしたのからは、分からないだろ?そこで、いいことを教えてやる。
明後日の、3·4時限目。口論になり、喧嘩が始まる。先生は、いないから誰も止められなくなり、白制は、格が落とされ、無様に負け、アリスが責められる。
ここまでは、俺が予想しただけだから、そうならないように気をつけなよ。」


と言って、愛鳴兄は、カバンを持ちさって行った。



愛鳴兄が、教えてくれた、意味とは、なんだろう?
愛鳴兄がわざわざ私に、教えてくれた意味は?
その時起きる出来事は、何?


愛鳴兄の意図が全く私には、わからなかった。
< 28 / 69 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop