無題 〜奇跡の7つ子〜
14:♣舞台♣
「“ちょっと〜シンデレラ〜!台所のそ〜じは、終わったのぉ?”」
アナスタシアが、笑いながら、言う。
「“は、はい!”」
「“何よこれ!汚いわねぇ、あとから裏の汚い水で洗ってくればぁ?”」
シンデレラの、汚れた手を見て、ドリゼラは、嫌味ったらしく笑った。
「“シンデレラ!次は、馬小屋の掃除!今日は、やることが沢山あるんだから、早くしてちょうだい!”」
トレメイン夫人が、せかせかしながら言う。とても意地悪な顔で。
「“お、お母様!”」
二人の娘は、声を揃え、言う。
「“あなた達は、綺麗なドレスに着替えておかなきゃいけないじゃな〜い♪”」
意地悪な顔から、甘い顔に変わり、甘い声で、二人の娘に言う。
「“はい!今日は、舞踏会ですものね!”」
ドリゼラは、うわの空になりながら言う。
「“ごめんなさい!もう行かなくては!”」
十二時を告げる鐘が鳴り、シンデレラは、慌ててその場を去った。
「“待ってください!”」
王子は、そのあとを追いかける…が、
結局、追いつけなかった。
シンデレラの去った後を見ていると、階段に、
「……これは……?……あ!」
「“ここでもありませんでしたね。”」
大公は、残念そうに言う。
「“そうですねぇ。”」
郵便屋も、そう言う。
その時、トレメイン夫人が、大公によってきて、
大公は、
「“(後で、約束のお金を払ってほしい。)”」
と言う。
その顔は、トレメイン夫人と、同様に、意地悪な顔で笑っていた。
その時、
「“〜♪〜〜♪〜〜〜♪♪〜♪〜〜♪♪〜♪”」
どこからか、歌が聞こえる。
美しい、透き通った声が。
屋敷に、近くの林に、二人の姉に、大臣にも、大公と共にいた、郵便屋にも、兵達も、そして、大公にも。
誰もがその声に虜になる。
聞き惚れる。
トレメイン夫人は、不味そうな顔をする。
「“誰の声でしょうな。”」
郵便屋が聞く。
すると、
「“も、もう、ここには、用は、無い!つ、次へ行くぞ!”」
大公は言う。
「“待て!大公!!”」
兵達の中から声が聞こえる。
その声を上げた兵は、身につけていた装備を取る。
その姿は、
「“お、王子!!”」
「“この声の主を確認してからだ!次の元へ行くのは!ちゃんと、確認するんだ!早くしろ!大公!!!”」
大公は、動かない。
王子は、ひとつため息を吐き、言う。
「“トレメイン夫人…案内してくださいますよね?”」
トレメイン夫人は、案内すると首を縦に振った。
大公は、トレメイン夫人の顔を見た。
その顔は、悔しそうな顔だ。
「“あ、あなたは……”」
シンデレラは、驚く。
「“あぁ、会いたかった。あの夜、あなたが行ってしまってから、僕の心には、穴が空いてしまった。それは、とても辛く、淡かった。そして気づいた、それは、恋なのだと。”」
シンデレラは、驚いて、口をぱくぱくさせる。
「“シンデレラ!僕は、君が好きだ!どうか、結婚してくれ!” 」
シンデレラは、泣く。
シンデレラの、涙を見て、王子は、困った顔をする。
「“だ、大丈夫か?すまなかった。すまないことを言った。僕が君にひどいことを言ったなら、許してくれ。どうか……”」
シンデレラは、俯く、王子を抱き寄せ、
「……王子様。これは、悲しい涙では、ありません。嬉しい涙なのです。私もあなたが好きだから…好きとあなたに言われて、嬉しくて、つい。」
涙を流しながら、シンデレラは、言う。
「“じゃじゃあ、結婚してくれるのですか?”」
王子は、今にも泣きそうな顔をする。
「“はい。もちろんです。”」
そう言われ、王子は、嬉し泣きをする。
その子供のような、泣きっぷりに、シンデレラは、花が咲いたように笑った。
そして、王子と、抱きしめあった。
「はーい。終了!良かったよ。みんな。」
舞台の練習が終わった。
私は、時計を見る。
……3時間もかかるのか…
あぁ。遅鳴かっこよかったなぁ。
演技もうまかったし。
賢い系だから、大臣役にあってるなぁ。
それにしても、愛鳴の演技、気合が入ってたなぁ。
私は、愛鳴に目線をやる。
愛鳴は、秘鳴に呼び止められ、なにか台本について話していた。
そして気づいた。
秘鳴と話している、愛鳴の耳だけが、赤く染まっていた
耳だけだから、誰も気づいていない。
私は、察した。
愛鳴は、秘鳴が、「好き」なんだなぁ。
だから、演技に気合が入っていた。
いや、気合いじゃなくて、本音だろうな。
そして、多分とーなは、それを知っていて、愛鳴を、王子様に推薦した。
兄妹愛か………
何となく、可哀想だなぁ。
アナスタシアが、笑いながら、言う。
「“は、はい!”」
「“何よこれ!汚いわねぇ、あとから裏の汚い水で洗ってくればぁ?”」
シンデレラの、汚れた手を見て、ドリゼラは、嫌味ったらしく笑った。
「“シンデレラ!次は、馬小屋の掃除!今日は、やることが沢山あるんだから、早くしてちょうだい!”」
トレメイン夫人が、せかせかしながら言う。とても意地悪な顔で。
「“お、お母様!”」
二人の娘は、声を揃え、言う。
「“あなた達は、綺麗なドレスに着替えておかなきゃいけないじゃな〜い♪”」
意地悪な顔から、甘い顔に変わり、甘い声で、二人の娘に言う。
「“はい!今日は、舞踏会ですものね!”」
ドリゼラは、うわの空になりながら言う。
「“ごめんなさい!もう行かなくては!”」
十二時を告げる鐘が鳴り、シンデレラは、慌ててその場を去った。
「“待ってください!”」
王子は、そのあとを追いかける…が、
結局、追いつけなかった。
シンデレラの去った後を見ていると、階段に、
「……これは……?……あ!」
「“ここでもありませんでしたね。”」
大公は、残念そうに言う。
「“そうですねぇ。”」
郵便屋も、そう言う。
その時、トレメイン夫人が、大公によってきて、
大公は、
「“(後で、約束のお金を払ってほしい。)”」
と言う。
その顔は、トレメイン夫人と、同様に、意地悪な顔で笑っていた。
その時、
「“〜♪〜〜♪〜〜〜♪♪〜♪〜〜♪♪〜♪”」
どこからか、歌が聞こえる。
美しい、透き通った声が。
屋敷に、近くの林に、二人の姉に、大臣にも、大公と共にいた、郵便屋にも、兵達も、そして、大公にも。
誰もがその声に虜になる。
聞き惚れる。
トレメイン夫人は、不味そうな顔をする。
「“誰の声でしょうな。”」
郵便屋が聞く。
すると、
「“も、もう、ここには、用は、無い!つ、次へ行くぞ!”」
大公は言う。
「“待て!大公!!”」
兵達の中から声が聞こえる。
その声を上げた兵は、身につけていた装備を取る。
その姿は、
「“お、王子!!”」
「“この声の主を確認してからだ!次の元へ行くのは!ちゃんと、確認するんだ!早くしろ!大公!!!”」
大公は、動かない。
王子は、ひとつため息を吐き、言う。
「“トレメイン夫人…案内してくださいますよね?”」
トレメイン夫人は、案内すると首を縦に振った。
大公は、トレメイン夫人の顔を見た。
その顔は、悔しそうな顔だ。
「“あ、あなたは……”」
シンデレラは、驚く。
「“あぁ、会いたかった。あの夜、あなたが行ってしまってから、僕の心には、穴が空いてしまった。それは、とても辛く、淡かった。そして気づいた、それは、恋なのだと。”」
シンデレラは、驚いて、口をぱくぱくさせる。
「“シンデレラ!僕は、君が好きだ!どうか、結婚してくれ!” 」
シンデレラは、泣く。
シンデレラの、涙を見て、王子は、困った顔をする。
「“だ、大丈夫か?すまなかった。すまないことを言った。僕が君にひどいことを言ったなら、許してくれ。どうか……”」
シンデレラは、俯く、王子を抱き寄せ、
「……王子様。これは、悲しい涙では、ありません。嬉しい涙なのです。私もあなたが好きだから…好きとあなたに言われて、嬉しくて、つい。」
涙を流しながら、シンデレラは、言う。
「“じゃじゃあ、結婚してくれるのですか?”」
王子は、今にも泣きそうな顔をする。
「“はい。もちろんです。”」
そう言われ、王子は、嬉し泣きをする。
その子供のような、泣きっぷりに、シンデレラは、花が咲いたように笑った。
そして、王子と、抱きしめあった。
「はーい。終了!良かったよ。みんな。」
舞台の練習が終わった。
私は、時計を見る。
……3時間もかかるのか…
あぁ。遅鳴かっこよかったなぁ。
演技もうまかったし。
賢い系だから、大臣役にあってるなぁ。
それにしても、愛鳴の演技、気合が入ってたなぁ。
私は、愛鳴に目線をやる。
愛鳴は、秘鳴に呼び止められ、なにか台本について話していた。
そして気づいた。
秘鳴と話している、愛鳴の耳だけが、赤く染まっていた
耳だけだから、誰も気づいていない。
私は、察した。
愛鳴は、秘鳴が、「好き」なんだなぁ。
だから、演技に気合が入っていた。
いや、気合いじゃなくて、本音だろうな。
そして、多分とーなは、それを知っていて、愛鳴を、王子様に推薦した。
兄妹愛か………
何となく、可哀想だなぁ。