無題 〜奇跡の7つ子〜

２３：♣やめて！！！♣

誰でしょうか？

「僕こういうものなんだけど、」

と言われ渡されたのは、名刺。

芸能事務所と書かれている。


「君、芸能界に出る気ない？」

「い、いや、いいです。」

「なんでだい？君の美貌、声、身長、髪質！！全てがパーフェクト！！だから、入らないかい？」

手を握られた。

大きな声を出されたので、周りで歩いていた人達も、こっちを見ている。


や、やだ！そんな目で見ないで！やめて！









髪の毛が逆立つ。

真っ白と少しのカラフルなメッシュの入った髪の毛が夕日を浴びて、輝く。

目の色が、チカチカカラフルに変わる。

その異様な美しい、光景に、周りのみんながもっともっと惹き付けられる。








その時私は、頭がめまぐるしく回り、何も考えられなくなっていた。


やめて、見ないで！嫌だ！やめて！来ないで！やだ！


そう考えていた時、グィっと、腕を引っ張られた。



え？だれ？フードを被っている。
黒の白のメッシュに緑？


人通りがなくなったところまで来たら、フードを脱いで、振り返った。


「大丈夫だった！？怪我ない？平気！？」

遅鳴！？

「なんでここに？病院にいたんじゃ…」

「えーと、病院から家に帰る、帰り道で、黒いフードを深くかぶった女の子に、『大通りに出てみな？君の知ってる女の子が、助けを求めてるよ？』って、言ったんだよね。」

ウサギの声にも似てるって思ったんだけど、髪型が違ったんだよね。

少し長めだった髪が、短くおカッパカット？だったし、前髪で、片目見えなかったし。

だけど、目は、似てたんだよね。

少し青みがかった黒。瞳には、光が灯っていた。

だけど、ウサギが消える数日前は、目に光がなくて、青みがかった目は、真っっ黒だった。



「誰なんだろうね。それ…まぁ、ありがとう。助けてくれて。」


「いいんだよ。」

目と目が合った。

瞬間、笑がこみ上げて、笑いながら、家に帰った。