無題 〜奇跡の7つ子〜

24:♣どうしてだろう?なんだろう?♣

とある大きなマンションの屋上。

誰もいない中、そこに3人いた。

「いいの?助けちゃって。」

白と黒が混じった天使が言った。

「いいんだよ。アリエル。あの子が決めたんだから。」

白と黒が混じった女神が言った。

「でもさっきから、黙りだよ?ぼーっと、どこか見てるし。」

アリエルは、あの子を指して言った。




なんで、助けたんだろう?

あいつが絡まれてるのを見て、ほっとこうと思ったら、目が離せなくなって、だけど、会いたくなくて、そしたら、たまたま、ちぃなに会って……

まじ何してるんだろ?

死ぬほど憎いのに、死んでほしいのに。

もう自分のことがわからないや。

今更逃げれないし。

女神もアリエルも巻き込んでしまったから

それに、愛鳴も。

馬鹿だな……私。

はぁぁ。


「行くよ!明後日が、勝負時だよ!」

そう言って私は、二人の仲間を連れて屋上を去った。










家に帰ったら、遅鳴が、聞いてきた。


「どうしてあんなとこにいたの?」


真剣な目つきで聞いてくる。

私は、逃げられず、正直にすべてを言った。








「そう.....そういうことだったんだ....じゃあ、今も愛鳴兄さんが眠っているのは、あいつらのせいってこと?」

「うん。そうだよ。(私たちがこの世界に来たからって言うのもあるけど。)」

そうだよ。そう思えば、私達のせいじゃないか。私たちが関係の無い人たちを巻き込んだから…その家族がこんな目にあったんだ。


「じゃあ…手伝うよ。」

「へ?」

なんで?

「だって、そんな大きな悩み、一人で抱え込んでいるなんて、辛いでしょ?なんか、一人で自分を責めてるけど、アリスのせいじゃないからね?」

「………」

「そもそも君らに関わったのは、僕らが先なんだから。それに君には、感謝してるし。だから、ギブアンドテイク!!助けられたから、助け返す。(それがなくったって、アリスの悩みなら、助けたいと思うけどね。)」

「…………」

「で?手伝ってもい……い…?なんで、泣いてるの?」

え?
私、泣いてるの?

棒立ちしていた、自分を動かして、自分の顔を触る。

指先に、水が付いた。


ほんとだ泣いてる。

どうしてだろ?

そして、思った。

肩が軽くなってる。

遅鳴の顔を見る。

遅鳴は、オロオロしながら、私の心配をしてくれていた。

遅鳴は、私の視線に気づくと、にへっと笑った。

私は、泣いていた意味は、わからなかったが、肩が軽くなった意味は、わかった。


相談をすれば肩は軽くなる。私は、そんなことないと思う。自分から心を許せる相手に、相談することが大切だと思う。

そう。遅鳴に、相談したからだと思う。

私は、心の中でものすごく感謝をした。


(ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。)


「ねぇ遅鳴。だったらさぁ、このことは、私たち二人の秘密にしてくれない?」

私は、言った。

涙は、消えていた。

「.....いいよ!!じゃあ、僕らだけの秘密な?」

私たちは、二人微笑みあった。
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