無題 〜奇跡の7つ子〜
35:♣出発♣
真夜中の12時
みんなでゾロゾロ大門の前に行く。
「いい?私が開けるまでに最後の挨拶をしておきな。」
私が小声で言った。
私は、扉を開けるのに集中した。
私の後ろで、みんな挨拶をする。
「バイバイ。」
「また会おうね。」
「絶対帰ってくるから。」
「よろしく頼んだよ。」
とか、みんな言っている。
確実に最後では、ないのに。
私が最後の呪文を唱える。
「“ ”」
ヒュォォ
扉の中から、風が吹く。
みんな静かに扉が開かれるのを待つ。
扉が開ききった。
前は、急いでいてわからなかったが、よく見ると、扉は、神々しく輝いている。
どこかで見た光でもあった。
「行くよ。」
私は、呼びかけた。
何故かみんな、手を繋ごうとする。
私も繋いだ。
「じゃあね。」
最後に聞こえたのは、その言葉だった。
私たちは、目を瞑った。