セーヌ川に魅せられて~パリジャンとの淡い恋~
いつもより食欲も口数も少ない私に、悠希が声をかけた。
「どうしたの?まさか、本気で惚れちゃった?」
うつむいたまま、首をたてに振る私。
ムール貝を食べる手を止めた2人が、厨房にいるアランを見た。
「確かにイケメンだよね。映画に出てきそうな顔…」
「うん。あのはにかんだ笑顔も確かにかわいいよね。」
聖も悠希も、私が惚れるのも無理はない、と言った。
叶うはずのない、期間限定の恋。
このムール貝を食べ終わるまでの恋……