セーヌ川に魅せられて~パリジャンとの淡い恋~
私が指差す方向を、アランも見つめた。
言葉が通じなくても、心が通じ合えた。
美しいものをみて、一緒になって、喜びを感じることができた。
半分を過ぎ、あとは引き返すだけになった。
船が川の上で一周回り出した。
その頃、私の手は・・・
温かいアランの手に包まれていた。
今日初めて会った異国の男性に、私はすっかり心を奪われていた。
「トゥモロー、OK?」
アランが、私の目を見つめながら、ゆっくりと言った。
「明日?明日、OK??」
どういう意味かわからずに、聞き返す。
アランは、私のガイドブックを広げ、エッフェル塔を指差した。
「トゥモロー・・・ヒア、OK?」
明日、エッフェル塔に?
一緒に?
「OKOKOK!!!アイムハッピー!!」
アランは、握っていた手をアランのひざに乗せて、頷いた。