強引上司に捕まりました
課長に手伝ってもらわなければ、こんなに早く終わらせることは出来なかった。
申し訳なさと有り難さで胸がいっぱいになる。
「緒川は人に頼るのが苦手なんだな」
「えっ?」
突然投げかけられた言葉にドキリとした。
「明らかにキャパオーバーなのに、ひとりで頑張ろうとする」
「すみません…」
まさしく課長の言う通りで、ぐうの音も出ない。
私は人に頼まれれば嫌とは言えない性格の持ち主。
しかも、誰かに頼ったり甘えたりすることが苦手。
最後までひとりでやり遂げようとして、以前いた総務課で何度か体調を崩したことがあった。
「緒川を見てると心配になる」
「すみません…」
課長に心配をかけていたとは…。
先ほどとは違う申し訳なさと情けなさで、胸がズキッと痛んだ。