強引上司に捕まりました


女性社員たちは、まだまだ盛り上がっている。

持っていた資料をギュッと握りしめ、重い足取りで営業課に戻った。

主のいない課長のデスクをぼーっと眺めていると、隣のデスクの先輩に声をかけられた。

「緒川さん、顔色悪いけど大丈夫?」

「えっ?大丈夫ですよ」

「そう?明日は会社説明会でしょ?今日は早く帰りなよ?」

「はい。そうします」

確かに胃の辺りがキリキリ痛む気がする。

お言葉に甘えて定時であがることにした。

会社説明会で話す内容を仕上げると、ベッドに突っ伏した。

ふと、給湯室から聞こえてきた話の内容が頭に浮かぶ。

天野課長が結婚…。

仕事が出来てイケメンとくれば、彼女がいても可笑しくない。

35歳という年齢なら、彼女との結婚を考えているのにも納得出来る。

また胃の辺りがキリキリ痛む気がして、布団に潜り込んだ。

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