強引上司に捕まりました
課長の言葉に首を傾げる。
熱があると言われても、全く自覚がない。
「熱なんて…」
熱なんてないです、と言いかけた私の身体がグラッと揺れた。
倒れるっと思った瞬間、私の身体は力強く抱き締められ、事なきを得た。
どうやら無事に仕事を終えて、力が抜けたらしい。
思いの外、緊張していたみたいだ。
「車で来てるから送ってく。荷物はこれだけか?」
「そんな、悪いです。タクシーで帰りますから…」
「こんな状態でなに言ってるんだ。ほら、行くぞ」
確かに足元はフラフラしている。
課長に支えられて、ようやく立っていられる状態。
「課長、すみません…」
お言葉に甘えて送ってもらうことにした。