強引上司に捕まりました
「本当に大丈夫なんだな?」
「本当に大丈夫ですから。課長、送っていただいてありがとうございました」
玄関先で念を押すように、何度も繰り返し体調を確認される。
少し時間が経ったお陰で、フラフラだった足元はしっかりしている。
週末にたっぷり睡眠をとれば熱も下がるだろうし、週明けの出社にも問題ないはず。
「少しでも体調が悪くなったら連絡すること」
有無を言わさないとばかりに真剣な表情で強い口調で言われると、胸がドキドキとして顔が熱くなってくる。
それを誤魔化すように笑った。
「課長、心配し過ぎです。コドモじゃないんですから」
言った途端、課長の顔が超至近距離にあって、目が点になってしまった。
「確かにさっきより顔色は良くなったな。じゃあ、帰るけど、なにかあったら連絡してこいよ?それと、戸締まりしろよ?」