強引上司に捕まりました


なんとか両足に力を入れて踏ん張っているけれど、気を抜いたら崩れ落ちそうだ。

いつの間にか至近距離で見下ろされていることに気づいて、思いっきり俯いた。

「そう。俺は緒川に惚れてる」

「!?」

またしてもきっぱりはっきり告げられ、ゆでダコ状態の顔を隠すように両手で顔を覆った。

「週末、緒川の体調が心配で眠れないくらい」

「えっ?」

ハッと顔を上げて、よくよく課長の顔を見ると、僅かに目の下に隈らしきものがあることに気づいた。

寝不足って、私のことを心配して…。

「緒川が元気になって良かった。今日はよく寝れそうだ」

フッと笑った課長から目が離せなくなった。

ここまで想われて、これ以上気持ちを誤魔化すことなんて出来ない。

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