強引上司に捕まりました
私は課長のことが好き…なのだ。
初めは尊敬する上司だった。
それが気づけば、仕事一筋な課長のことを好きになっていた。
けれど、私なんかが課長と釣り合うわけがない。
そう思って気持ちに蓋をして諦めた。
せめて仕事では認められたいと、毎日必死だった。
少しでも仕事で役に立てればいい。
足を引っ張ることだけはしたくない。
そう思って…。
なんだか、泣けてくる。
鼻の奥がツンとなった。
「ズルい言い方をしていいか?」
「ズルい、言い方…?」
「緒川は頼まれれば断らないだろう?」
「えっ?」
それは、確かに私の性格上、頼まれれば嫌とは言えないけれども。
恋愛に当てはまるかと言えば、それは違うと思う…。
「だから、俺は頼みがあると言った。嫌ならこの場できっぱり断ってくれて構わない」