強引上司に捕まりました
課長の真っ直ぐな瞳に吸い込まれそうになる。
逃がさないと、有無を言わさないとばかりに真剣な表情で、強く見つめられる。
課長は私に触れるか触れないかギリギリの位置に、両手をシンクに置いた。
ほら、逃げ道なんてないじゃない。
「緒川を手に入れることが出来るなら、手段を選ばない。それで、俺の頼みは聞き入れてもらえるか?」
手を伸ばせば、すぐ触れられる距離。
これはもう、誤魔化すことは出来ない。
私は覚悟を決めて、課長を真っ直ぐ見つめた。
「私、課長のことが好きです。ですから、課長の頼み、承ります」
言うと同時に強く抱き締められた。
「か、課長!ここ、会社ですっ!」
誰かに見られでもしたら、一体どうしたらいいと言うのか。
しかも、相手はイケメンエリート課長。
たちまち私が目の敵になるのが容易に想像出来る。