強引上司に捕まりました


必死に抵抗してみても、力の差は歴然としている。

慌てふためく私を宥めるように、すっぽり抱き締められてしまった。

「わかってる。もう少しだけ」

耳元で囁かれると、身体の力が抜けていく。

「課長、そろそろ…」

始業も近いし、他の社員も出勤してくる。

ゆっくりと密着していた身体が離れていく。

少し寂しさを感じたけれど、いつまでも抱き合っているのはマズイ。

見上げると、困ったような表情をした課長と目が合う。

「仕事以外で他の男の頼みは受け入れるなよ?」

「当たり前です。好きでもない人の頼みは聞き入れません」

「じゃあ、俺の頼みはなんでも聞き入れてくれるんだな?楽しみだ」

私は「はい」と言いかけて、口を開けたまま固まってしまった。

課長がなぜか意味深にニヤリと笑っている。

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