強引上司に捕まりました
「あの、上に報告って?」
「とりあえず部長に報告と、これから手続きとかいろいろあるだろうから総務にも話は通しておいた」
私の歩幅に合わせてゆっくり歩いてくれる優しさを持ち合わせていながら、こうして外堀をきっちり埋めてくる強引さも兼ね備えている。
「課長、手続きって?」
「食べながらゆっくり話そう。それより二人でいる時は名前で呼べよ?」
「!?」
無理無理!
課長のことを名前で呼ぶなんて、レベルが高過ぎて絶対無理!
それなのに、課長は私を見下ろして「呼んでみろ」と言わんばかりに、目で訴えてくる。
「俺の頼み、聞き入れてくれるよな?」
痛いところを突いてくる。
それでも僅かに抵抗してみる。
「天野さん…」
「却下」