強引上司に捕まりました


「まずはご挨拶に伺わないとな。ご両親に都合を確認しておいてくれるか?ウチはいつでも構わないらしいから」

持っていた箸を落としそうになった。

「あの、課長…じゃなくて恭平さん、ご両親に話したんですか?」

「電話で伝えた。早く連れてこいって、張り切ってたな」

「そ、そうなんですか…」

とりあえず反対されていないことにホッと胸を撫で下ろした。

それにしても、段取りが早い。

「多少、強引にコトを進めてるのは自覚してるが、こうでもしないと、清華は余計なことを考えそうだしな」

「!?」

図星をつかれ、返す言葉がない。

イケメンエリート課長と、なんの取り柄もないOL。

ドラマやマンガにありがちな組合せに、まさか自分がその当事者になるなんて、夢か幻かと疑うのは当然じゃないかと思う。

< 40 / 43 >

この作品をシェア

pagetop