強引上司に捕まりました
「まずはご挨拶に伺わないとな。ご両親に都合を確認しておいてくれるか?ウチはいつでも構わないらしいから」
持っていた箸を落としそうになった。
「あの、課長…じゃなくて恭平さん、ご両親に話したんですか?」
「電話で伝えた。早く連れてこいって、張り切ってたな」
「そ、そうなんですか…」
とりあえず反対されていないことにホッと胸を撫で下ろした。
それにしても、段取りが早い。
「多少、強引にコトを進めてるのは自覚してるが、こうでもしないと、清華は余計なことを考えそうだしな」
「!?」
図星をつかれ、返す言葉がない。
イケメンエリート課長と、なんの取り柄もないOL。
ドラマやマンガにありがちな組合せに、まさか自分がその当事者になるなんて、夢か幻かと疑うのは当然じゃないかと思う。