立花さん。




期待を込めた視線を投げかけてくる綾花をとりあえずスルーして、するりと立花さんへとまた視線を持ってゆく。



なんで立花さんはあんなに整った顔立ちをしているんだろう。親の顔が見てみたいよ全くけしからん。



窓から入ってくる春特有の穏やかな風さえも
、立花さんを引き立てる様に見えてしまうのだから、立花さんは相当絵になる人物だ。



「で?アンタは何でそんなに立花さんに夢中なのよ。まさかレズとか言わないわよね?」

「・・・・うるさいなあ。立花さんの良さは私だけ分かってればそれでいーの。レズに関しては心外だから否定しておくわ」



正直私にも分からないんだ、なんて言えなくて。言えない理由はないんだけど、一々突っ込まれるのが面倒。なんて事も絶対言えないんだけど。



兎に角、私がなんで立花さんの事がこんなに気になるのかなんて私自身にも分からないのか真実だった。



「ふうん。まあ、何でもいいけど。ただひとつだけ言っておくわ」



少しだけ、真剣味が含まれた音色が気になって立花さんから綾花へと視線をするり、戻す。



「アンタが立花麻美の事を恋愛で好きなんじゃないか。いや、桜井里桜はレズだ」

〝この学校中のみんながそう噂してるわよ〟



・・・・・・な、なんだって?



「ちょっと待ってよ、ねえ。今なんて言った?聞き間違いですかな?」



私がレズ?立花麻美を恋愛対象として見てる?え?え?え!?


うそだよね?まさかまさかまさかだよね?ありえないよね?ねえ?


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