立花さん。
「お、思い当たる節がありすぎる・・・」
「でしょう?この約2ヶ月間、それはそれは口説き文句みたいなのをつらつらと述べてきたんだから仕方ないんじゃない?」
哀れむような視線が私の身体を突き刺すように物凄いスピードでやってくる。
う、うぅ。痛い痛い痛い。
でも私そんなつもりじゃなかったんだよ!早く打ち解けるには冗談もいれたりして、かつオープンに行くべきだと思ってて。
真正面からぶつかれば、いつか立花さんも心を開いてくれるって思ってた。
でもその結果がこれだなんて・・・。
「・・・・・・はあ。私レズじゃないのに」
「まあ、既にたった噂は仕方ないわね。受け入れるしかないわ」
「でもさあ!」
「仕方ないじゃない!自業自得よ!それが嫌ならせいぜい頑張りなさい」
頑張れったって、なにを頑張ればいいの!どうしたらレズじゃないって分かって貰えるんだろ。
うーん、うーん。
頭を抱えて悩んでみても、何の案も浮かばない。
浮かぶのは立花さんの引きつった笑顔。いやあそんな顔も可愛いんだね!!
「って、ちがう!!こんな時まで私はなにを考えてるんだ!!」
馬鹿なのか!私は馬鹿なのか!なあ!私は馬鹿なのかい!!!
ほんとどうしようもないわ。
「今のままじゃ彼氏もまともに出来ないわね、アンタ」
長い爪を私に向けた綾花は、不敵な笑みを浮かべて踵を返し教室を出ていった。
────ああ、神よ。