お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
すると彼は一瞬だけジロリと横目で私を捉え、「俺だってーー」と言いかける。

その後は急に咳払いをして、黙り込んだ。

なにかをごまかしたのは明らかで、目を瞬かせた私は、平静を装うその横顔を覗き込むように見る。


「俺だって……なに? もしかして、私に対して妙な気を起こしたくなる時があるの?」と追求すれば、「あるわけないだろ!」と怒鳴られた。


「なんで俺が、お前みたいなガサツな女に欲情しなければならないんだ。下着は意外と可愛いものを身につけていると思ったが……な、なにを言わせるんだ。おかしな質問をするな!」


対向車のヘッドライトが彰人の顔を照らす。

不愉快そうに眉間に皺を刻みつつも、頬は赤く色づいて、怒るというより恥ずかしそうだ。

私は冗談で聞いたのに、真面目に受け取って、彼は明らかに焦っている。

しかも下着をうっかり褒めて、デレるなんて……。


そういうところが私のツボにはまり、彼を可愛く感じて胸がキュンと音を立てた。

嬉しくなった私は調子に乗り、彼からもっとデレを引き出そうとニヤつきながら攻める。
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